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平安貴族ディベート

平安貴族ディベート 
●これは、オプション授業です。教科書は支配者(悪)VS被支配者(善)というマルクス主義の階級闘争史観に毒されていました。私たちの異議申し立てで少しずつ変わってきてはいますが、ぜいたくな貴族と虐げられた民衆という対比がいたるところに見られます。
●しかし、世界の歴史は富を特定の階層に集中することによって、いわゆる「人類の偉大な文化」が形成されてきたわけです。大昔から富が平等に分配されていたら、ただ均しく貧しいばかりで文化は生まれなかっただろう。そういう見方も重要であると考えて、貴族のぜいたくが文化を生んだという見方を教える討論をつくってみました。

「平安貴族はリーダー失格」VS「平安貴族はすばらしい」
*資料を読み、どちらかの立場を選ばせる。
*その理由をノートに書く。
*書いたことをもとに話し合いをさせる。



【平安貴族は気に入らない!】

 私は、藤原氏をはじめとする平安時代の貴族が気に入らない。

 第一に、ものすごい財産がある。それはふつうの国民(農民)から取り立てた税だ。それなのに、働いている人たちとの貧しさとくらべると、生活レベルに差がありすぎる。

 第二に、娘を天皇のおきさきにして政治の権力をにぎりながら、奈良時代までのリーダー達とは大ちがいだ。
 外国とのつきあいをやめ、国を守る軍隊までなくしちゃったのだ。
 地方の政治も、いまの警察の仕事もみんな地方の役人にまかせっきりで、政治らしい政治は何にもしていない。しかも、大化改新で国のものになったはずの土地をまた自分のもの(荘園)にしてしまった。
 つまり国のリーダーとしての責任を果たしていないんだ。

第三に、ありあまる財産を自分たちのぜいたくのためにだけ使っている。ごうかな家に住み、きらびやかな着物を着て、遊んでばかりいたことだ。
 貴族がやったのは、けまりやとうけいなどで遊ぶこと、恋をすること、文章や和歌を作ること、神さまのたたりから身を守るおまじない、さまざまな儀式。これだけだ。こんなことでは日本がどうなるのか心配である。

 以上の理由から、私は「平安貴族は気に入らない」という意見である。


【平安貴族はすばらしい!】 

私は平安貴族はすばらしいと思う。

第一に、彼らがぜいたくをしたおかげで、日本の文字(かな)が生まれたことだ。かなは、平安貴族から未来の日本人への最高の贈り物だ。
 漢字とかなを使って日本語を表せるようになったから、日本らしい詩、日本らしい物語、日本らしい学問が生み出せるようになったのだ。私は、漢字だけの教科書を読んで漢字だけの作文を書くなんてまっぴらだ。

 第二に、紫式部の『源氏物語』という大長編小説が生まれた。これはまだ読んだことがないが、世界でいちばん最初の女性が書いた長編小説だ。ほかにも、『枕草子』や『古今和歌集』など日本らしい文化が花開いた。これらの文学は、世界に誇れる私たち日本人みんなの財産になったんだ。

 第三に、貴族の儀式から日本の行事がつくられた。正月・節分・ひなまつり、お盆など、いまに残る日本らしい季節の行事も貴族のぜいたくなくらしのおかげである。

私は、たとえその時代の日本人の多くが貧しくて、貴族が政治らしいことを何もなかったとしても、平安時代の貴族たちのぜいたくのおかげで、世界に誇れる日本文化が生まれたことを喜びたい。

 以上の理由から、私は「平安貴族はすばらしい」という意見である。



【まとめ】
この貴族のありさまはやはり国家のリーダーとしてはたぶん失格でしょうね。もしこの400年の平安時代にどこか強い国が攻めてきていたら、日本はなくなっていたかもしれません。でも、またまた日本は幸運でした。幸運だったからできたことでしょう。
 しかし、一部のリーダー層が贅沢をしていなければ日本の文化というものはなかったでしょう。いまから100年ほど前に身分制度は世界中でなくなりますが、それまでは身分の違い=生活水準のちがいは歴史の常識だった。もし、平安貴族たった150人ほどのぜいたくをやめてみんな平等にしていたら、日本には文化も生まれず、何も残らなかったことでしょう。これは後の武士の時代にもいえることでしょう。
だから、事実だけを見れば、彼らが贅沢をしてくれたおかげで、私たちは日本人の文字をもち、世界に誇れる『源氏物語』を持つことができたということになります。


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