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『学校でまなびたい歴史』 2  歴史入門(6)

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5 歴史の中には、たくさんのご先祖様が生きていた


『そうです。たいへんよく考えましたね。これから勉強していく歴史の中には、どの時代にもみなさんのご先祖様がいます。確かめることはできないし、これが先祖だという証拠もないけれども、もし大昔のその先までもご先祖様がいなければ、私たちはいまここにはいられないはずだからです。ただ、なんとなくたくさんいたとか、数えきれないくらいいたというのでは、私は少し落ち着きません。そこで、実際には何人ぐらいいたのかを計算してみることにしました。その資料を配りますから見てください』

 こう言って次の資料を配布し、子供たちとやりとりしながら、それを説明していった。
先祖の数

一世代をおよそ三十年間としよう。親が三十歳で子供が生まれたと考えてみるのである。そして、いまから三十年前に子供たちの両親が生まれたとする。
 こうして、ひとりの「私」の先祖の数を計算してみたのがこの資料である。
 どんなことがわかるか、詳しく見ていくことにしよう。

 みなさんの祖父母四人が生まれたのは、今からおよそ六十年前だ。日本がアメリカなどを相手に戦った戦争が終わる頃だろう。そのころ、日本列島のどこかにみなさんの祖父母四人が生まれていると考えよう。
 八人の曾祖父母は今からおよそ九十年前、明治時代が終わり大正時代が始まった頃に生まれている。日本がロシアとの大戦争に勝って世界の大国にまで発展した時代だ。

 ここで、そのころ「東郷平八郎や小村寿太郎が活躍していました」と、二人の肖像写真を見せておこう。八人のご先祖は、この人たちと同じ時代にこの日本のどこかで生きていたのです。

このように、歴史人物の写真や肖像画をフラッシュカードのように見せていくといい。
 これから教わる偉人たちと一緒に、自分たちの先祖も生きていたのだなという思いを強くするからである。
 では、二倍計算をさらに三回繰り返してみよう。
 一八〇年前は六十四人だ。それは日本列島の周辺にロシアやフランスの船が出没して、江戸の長い泰平の世が脅かされ始めた頃のことだ。

 こんどは、そのさらに二四〇年前を見てみよう。ちょうど織田信長、豊臣秀吉、徳川家康という、子供たちもよく知っている武将たちが活躍していた時代である。六十四人に、二倍を八回くりかえせばいい。 
 すると、今から四二〇年前の西暦一五八〇年頃には、私たち一人一人の先祖が、なんと一万六三八四人も生きていた計算になってしまう。

 子供たちはこの計算に大変興味を持った。自分たちが先ほど説明した「たくさん」が具体的な数字になって示されていくのである。そしてどんどん増え続けるご先祖の数に驚き、しだいに興奮していくのがわかる。こうして、自分の先祖の誰かが、たしかに歴史上の人物と同じ時代の日本に生きていたはずだということを実感していくのである。

 しかし、読者はもうお気づきだろう。そんなバカな数字はないだろうと。
 その通りである。これらは実際にはあり得ない数字なのである。
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